スクリプト

ローポリ

概要

オブジェクトのローポリ化と、ローポリの背景

詳細説明

ローポリ背景 / ローポリ化

三角形メッシュでローポリ風の絵を作る 2 本のスクリプトです。ローポリ背景は乱数からグラデーションの背景を生成し、ローポリ化は既存のオブジェクトをローポリ調に変換します。

どちらも @通常 と @高速 の 2 方式を持ちます(後述)。

インストール

  1. 次の 3 ファイルを配置します。

    ファイル 配置先
    @ローポリ背景.obj2 Script\
    @ローポリ化.anm2 Script\
    EffectUtils_Lowpoly.lua Script\

    EffectUtils_Lowpoly.lua は 2 本の共有モジュールです。これが無いと両方とも何も表示されません(エラーは出ずに無反応になります)。

  2. AviUtl2 を再起動します。「キャッシュを破棄」では反映されません。

  3. メニューに次のように出ます。

    • オブジェクト追加 → ローポリ背景 → 「通常」または「高速」
    • アニメーション効果 → ローポリ化 → 「通常」または「高速」

「通常」と「高速」の選び方

どちらも同じパラメータで、絵の作り方だけが違います。基本は「高速」を使ってください。

通常 高速
三角形の作り方 ドロネー三角形分割(CPU) 格子を対角で 2 分割(GPU)
描画回数 三角形 256 個ごとに 1 回 常に 1 回
セルサイズの下限 1920x1080 で 32 未満は効かない 制限なし
三角形の形 不規則。同じ大きさの三角形が並びにくい 格子由来。やや規則的
向いている用途 細かい制御が要らない静止画 細かいメッシュ、アニメ、4K

「通常」は三角形の点数に上限(2200 点)があり、それを超えるとセルサイズが自動的に大きくなります。そのため 1920x1080 ではセルサイズを 32 より小さくしても絵が変わりません。細かいメッシュが欲しいときは「高速」を使ってください。

見た目は「通常」のほうが三角形の形が不揃いで手作り感が出ます。好みで選んで構いません。


ローポリ背景

使い方

  1. オブジェクト追加 → ローポリ背景 → 「高速」
  2. 色1 と 色2 で全体のグラデーションを決める
  3. セルサイズ で三角形の大きさを決める(小さいほど細かい)
  4. 揺らぎ で三角形の形の崩し具合を決める
  5. シード を動かして、気に入る配置が出るまで探す

シードは配置を変えるだけの値です。動かしても重くなりません。

パラメータ

サイズ

パラメータ 範囲 初期値 説明
画面サイズに合わせる ON / OFF ON ON のとき画面全体のサイズになる。OFF にすると幅・高さが出てくる
幅 1 ~ 8192 px 1920 「画面サイズに合わせる」が OFF のときだけ有効
高さ 1 ~ 8192 px 1080 同上

メッシュ

パラメータ 範囲 初期値 説明
セルサイズ 20 ~ 500 px 100 三角形のおおよその一辺。小さいほど三角形が増える
揺らぎ 0 ~ 100 % 40 0 で整然とした格子、100 で大きく崩れる
シード -9999 ~ 9999 0 乱数の種。値を変えると配置が変わる

色設定

パラメータ 範囲 初期値 説明
色1 - 2980b9 グラデーションの始点の色。ランダムでは 1 つ目の色
色2 - 8e44ad グラデーションの終点の色。ランダムでは 2 つ目の色
配色 グラデーション / ランダム グラデーション 色1・色2 の並べ方(v3.03〜)
グラデ方向 縦 / 横 / 対角 縦 色1 から色2 へ変化する向き。配色が「グラデーション」のときだけ出る
色2の割合 0 ~ 100 % 50 色2 になる三角形の割合。配色が「ランダム」のときだけ出る
中間色 0 ~ 100 % 0 0 で色1 と色2 の 2 色だけ。上げるほど 2 色を混ぜた中間の色が増える。配色が「ランダム」のときだけ出る
色相変化(±度) 0 ~ 180 15 三角形ごとに色相をばらつかせる。振れ幅は ±値(度)。15 なら ±15 度
明度変化(±%) 0 ~ 100 % 20 三角形ごとに明るさをばらつかせる。振れ幅は ±値ポイント。20 なら ±20 ポイント

配色「ランダム」

グラデーションのような方向を持たず、色1 と色2 が三角形ごとにばらばらに入り混じります。

  • 色2の割合は、画面全体で見たときの 2 色の比率です。30 なら 3 割が色2、7 割が色1 になります。0 で色1 だけ、100 で色2 だけです
  • 中間色を上げると、色1 と色2 の境目の色(2 色を混ぜた色)を持つ三角形が増えます。100 にすると、ほぼすべての三角形が 2 色の間のどこかの色になります。中間色をいくつにしても、全体の色の平均は「色2の割合」のとおりに保たれます
  • 色相変化・明度変化はグラデーションのときと同じく上乗せされます。2 色のはっきりした対比を見せたいときは、どちらも小さめ(5 前後)にしてください
  • どの三角形がどちらの色になるかはシードで変わります
  • 明転の「明ける順」をグラデ方向にすると、ランダム配色では色1 の三角形から先に明けます(中間色がある場合は色1 に近い順)
  • 「通常」でメッシュアニメを ON にしても、三角形の色はちらつきません。ただし三角形の組み替わり(辺の付け替え)が起きた箇所だけは、その瞬間に色が変わります

アニメ

パラメータ 範囲 初期値 説明
メッシュ ON / OFF OFF 三角形の頂点が円を描いて動く
色相 ON / OFF OFF 全体の色相が一巡する
明度 ON / OFF OFF 明度のばらつきが明滅する
ループ回数 1 ~ 64 1 オブジェクトの尺の中で何周するか

ループ回数は整数周回なので、先頭と末尾が必ず繋がります。 尺を変えても速度が自動的に合うので、ループ素材を作るときに端の処理が要りません。

エッジ

パラメータ 範囲 初期値 説明
エッジ表示 ON / OFF OFF 三角形の輪郭線を描く
エッジ幅 0.5 ~ 5 px 1 線の太さ。「エッジ表示」が ON のときだけ出る
エッジ色 - 000000 線の色。同上

明転(v3.02〜 / ローポリ背景のみ)

暗い状態から三角形が順番に明けてくる演出です。三角形ごとに時間差が付くので、画面全体を一律にフェードするのとは違う立ち上がり方になります。ローポリ化にはこの機能はありません。

パラメータ 範囲 初期値 説明
明転を使う ON / OFF OFF OFF のときは v3.01 までと同じ絵になる
明ける順 ランダム / グラデ方向 / 明るい順 / 暗い順 / 中心から ランダム どの三角形から明けるか
ばらつき 0 ~ 100 % 60 0 で全部同時に明ける。大きいほど時間差が開く
開始明度 0 ~ 100 % 10 明転が始まる時点の明るさ。100 にすると変化しません
所要時間 1 ~ 100 % 50 オブジェクトの尺に対する割合。50 なら前半で明け終わる

開始明度は 0 にしないほうが扱いやすいです。 0 は純黒で、そこから淡い色へ立ち上げると輝度の跳ね上がりが大きく出ます。10 前後にすると「色相と彩度はそのままで暗いだけ」の状態から明けるので、黒を経由せずに繋がります。

「明ける順」を明るい順にすると、グラデーションの明るい側から光が回ってくるように見えます。 光源のない背景でも起点を作れるので、ランダムより落ち着いた印象になります。

ばらつきを上げると、全体としての立ち上がりが自然に S 字(最初と最後がゆるやか)になります。透明度フェードにイージングを掛けるのと似た効果が、設定なしで得られます。

エッジ表示と併用したとき、「通常」ではエッジ色だけが三角形ごとの時間差を持ちません(線の色は画面全体で 1 つのため)。「高速」では線も三角形ごとに明けます。


ローポリ化

使い方

  1. オブジェクトに ローポリ化 → 「高速」を追加
  2. セルサイズ で三角形の大きさを決める
  3. 必要なら シルエット維持 を切り替える

色は元の画像から自動的に取られます。三角形の中を 7 点サンプリングして平均した色が入ります。

パラメータ

パラメータ 範囲 初期値 説明
シルエット維持 ON / OFF ON ON のとき元画像の形を保つ。OFF にすると三角形の境界がそのまま輪郭になる

メッシュ・アニメ・エッジはローポリ背景と同じです。色調整だけ項目が違います。

色調整

パラメータ 範囲 初期値 説明
色相変化(±度) 0 ~ 60 0 三角形ごとに色相をばらつかせる。振れ幅は ±値(度)
彩度変化(±%) 0 ~ 100 % 0 三角形ごとに彩度をばらつかせる。振れ幅は ±値ポイント
明度変化(±%) 0 ~ 100 % 0 三角形ごとに明るさをばらつかせる。振れ幅は ±値ポイント

初期値がすべて 0 なので、既定では元画像の色がそのまま出ます。

シルエット維持について: ON にすると元画像のアルファをそのまま使うため、輪郭がなめらかなまま中身だけがローポリになります。OFF にすると三角形単位でアルファが決まるので、輪郭がカクカクした「切り絵」風になります。


使用例

すべて 1920x1080 を想定した値です。

1. 解説動画の背景(落ち着いた・静止)

図やテキストを重ねる前提。色相も明度もほとんど振らないので視線を奪いません。

項目 値
セルサイズ / 揺らぎ / シード 150 / 25 / 0
色1 / 色2 2C3E50 / 34495E
グラデ方向 縦
色相変化(±度) / 明度変化(±%) 5 / 8
アニメ すべて OFF
エッジ表示 OFF

色1・色2 は色相が同じで明度だけ違います。三角形は 168 個と少なめです。

2. 演出として使う鮮やかな背景(動く)

マゼンタからシアンへ、色相差 153 度。三角形ごとに ±40 度振れます。

項目 値
セルサイズ / 揺らぎ / シード 45 / 70 / 7
色1 / 色2 E91E63 / 00BCD4
グラデ方向 対角
色相変化(±度) / 明度変化(±%) 40 / 12
アニメ メッシュ・色相・明度 すべて ON
ループ回数 2

三角形が 2016 個になるので**「高速」を使ってください**(「通常」だと描画が 8 回に分かれます)。

3. OP・タイトルのワイヤーフレーム調

背景を暗く潰して、エッジの線だけを見せます。ロゴの背面向け。

項目 値
セルサイズ / 揺らぎ / シード 90 / 65 / 12
色1 / 色2 0D1B2A / 1B263B
グラデ方向 縦
色相変化(±度) / 明度変化(±%) 12 / 8
アニメ メッシュのみ ON
ループ回数 1
エッジ表示 / エッジ幅 / エッジ色 ON / 1.5 / 00E5FF

面が暗いのでシアンの線が立ちます。揺らぎ 65 でメッシュが動くと線が波打ちます。

4. 夜景・ダーク基調(字幕やロゴの背面)

暗い面と少し明るい面がまだらに出ます。

項目 値
セルサイズ / 揺らぎ / シード 80 / 55 / 3
色1 / 色2 252545 / 16213E
グラデ方向 対角
色相変化(±度) / 明度変化(±%) 10 / 25
アニメ 明度のみ ON
ループ回数 1

明度変化 25 は暗い側が黒に張り付きます。真っ黒な三角形が混ざるのが狙いですが、潰したくなければ 15 まで下げてください。メッシュを止めて明度だけ動かすので、形は固定のまま面がゆっくり明滅します。

5. パステル(商品紹介・明るいトーン)

黒文字を乗せる前提の高明度背景です。

項目 値
セルサイズ / 揺らぎ / シード 120 / 35 / 21
色1 / 色2 FCEABB / D3E4F7
グラデ方向 横
色相変化(±度) / 明度変化(±%) 20 / 10
アニメ すべて OFF
エッジ表示 OFF

クリームから淡い青へ。色相差は 168 度ありますが彩度が低いので穏やかにまとまります。元の明度が 97〜99% なので、明るい側は 1〜3 ポイントで頭打ちになります。


注意事項

色相・彩度・明度の変化量はすべて ±値です

3 つとも入力した値がそのまま片側の振れ幅になります。

パラメータ 値 実際の振れ幅
色相変化(±度) 40 ±40 度
彩度変化(±%) 30 ±30 ポイント
明度変化(±%) 8 ±8 ポイント

明度変化は 0% / 100% をはみ出す分だけ頭打ちになります

明度変化は元の色の明るさに両方向へ対称に加算され、0〜100% の外に出た分だけが切り詰められます。上方向を抑える処理は入っていません。

たとえば元の明度 93.7%(E8ECEF)に明度変化 8 を指定すると、上側は 93.7 → 100% の 6.3 ポイント分が効き、はみ出す 1.7 ポイントだけが頭打ちになります。元の色より明るい三角形は普通に出ます。

頭打ちを避けたい場合は「元の明度 + 明度変化 ≦ 100」「元の明度 − 明度変化 ≧ 0」に収まる値を選んでください。明度が 100% に達した三角形は、彩度を保ったまま最も明るいチャンネルが 255 になります(E8ECEF なら F8FCFF)。彩度は下がりません。

セルサイズの下限(「通常」のみ)

「通常」は三角形の点数に上限があるため、セルサイズを小さくしても一定より細かくなりません。1920x1080 で 32、3840x2160 で 63 が下限です。「高速」にはこの制限がありません。

パラメータを増減したら再起動

トラックバーやチェックボックスの構成が変わった場合、「キャッシュを破棄」では反映されません。AviUtl2 の再起動が必要です。スクリプトの中身だけを変えた場合は「キャッシュを破棄」で足ります。

動作確認の状況

v3.00 で**「通常」「高速」とも実機で動作確認済み**です。シェーダーのコンパイルエラーは出ていません。v3.01 は項目の表示名だけを変えたもので、処理は同一です。

v3.01 で項目名を変えたため、v3.00 で作ったプロジェクトでは「色相変化(±度)」「彩度変化(±%)」「明度変化(±%)」の 3 項目が初期値に戻ります。 AviUtl2 は項目名を設定の保存キーに使うためです(プロジェクトファイルで確認済み)。他の項目は影響を受けません。

設定し直す前に元の値を知りたい場合は、Backup\AutoBackup_*.aup2 をテキストエディタで開いて 色相変化= を検索してください。1 分間隔の自動バックアップに、更新前の値がそのまま残っています。

v3.02(ローポリ背景のみ)は明転の追加です。項目を増やしただけなので、v3.01 で作ったプロジェクトの設定は保たれます。 「明転を使う」が OFF のときは v3.01 とまったく同じ出力になることを数値で確認済みです(内部で恒等式になるよう作られています)。「通常」と「高速」で明転の計算式が一致していることも確認しています。

v3.03(ローポリ背景のみ)は配色「ランダム」の追加です。項目を増やしただけなので、v3.02 までに作ったプロジェクトの設定は保たれます(配色はグラデーションのまま開きます)。グラデーションのときの出力が v3.02 と同じであることは数値で確認済みです。ランダムの割合と中間色の計算は数値で確かめてありますが、実機での見た目の確認はまだです。

v3.10(ローポリ背景のみ): 乱数を作り直しました

「周囲から浮いた三角形が 1 枚だけ出る」という報告の原因が乱数にあったため、作り直しました。設定項目は 1 つも変わっていないので、これまでに作ったプロジェクトの設定はすべて保たれます。

ただし同じ設定でも三角形の形と色が変わります(シードを 0 にしていても変わります)。書き出し済みの動画と絵柄を揃えたい場合は、v3.03 のファイルを別名で残しておいてください。

直した内容は 2 つです。

  • 「通常」の乱数が、実際には一定の幅で増えていくだけの数列になっていました。そのため色相のばらつきと明度のばらつきが連動し、両方が同時に振り切れた三角形が 1 枚だけ周囲から浮いて見えていました。振れ幅そのものは設定どおり ±値 に収まっていたので、「設定を超える色が出ていた」わけではありません
  • 「高速」の乱数が、シードを大きくすると壊れていました。シードが ±2000 を超えたあたりから乱数の種類が急に減り、±9999 付近では格子のゆらぎも色のばらつきもほとんど無くなって、規則正しい格子に戻っていました。シードを 0 付近で使っていた場合は影響が小さいはずです

いずれも数値で確認し、実機でも確かめました(2026-09-23。隣り合う大きいシードで別の絵になり、色の段数も戻りました)。

なおローポリ化の「通常」も、同じ共有モジュールを使っているため絵が変わります。

v3.10(ローポリ化): 「高速」の乱数も直しました

ローポリ化の「高速」にも、シードを大きくすると乱数が潰れて規則的な格子に戻り、三角形ごとの色のばらつきも消える問題が残っていたので、ローポリ背景と同じ直し方をしました。同じ設定でも三角形の形と色のばらつきが変わります(シードを 0 にしていても変わります)。設定項目は変えていないので、保存済みの値はそのまま読まれます。数値で確認し、実機でも確かめました(2026-09-23。シード 9998 と 9999 で別の絵になり、明るさのばらつきも戻りました)。

既知の制限

  • ローポリ化はフィルタとして動くので、後続のフィルタは通常どおり効きます
  • 「通常」と「高速」で乱数の作り方も三角形の作り方も違うため、同じシードでも見た目は一致しません。仕様として許容している差なので、セクションを乗り換えたら見た目を調整し直してください
  • 三角形の境界にアンチエイリアスはかかりません。輪郭を柔らかくしたい場合は、後段にぼかしを重ねてください