AudioFilter
概要
音声にエフェクト、電話風、無線風、反響、こもり、ナレーション補正が可能
詳細説明
Aul2AudioFilter
Aul2AudioMonitor による波形/スペクトラム表示
Aul2AudioMonitor.aux2 を同梱し、AviUtl2 の編集メニュー Aul2AudioMonitor から表示できます。Aul2AudioFilter.auf2 が音声処理中に入力/出力の表示用データを共有メモリへ書き込み、.aux2 が描画します。
Spectrum: 初期表示。横軸は周波数、縦軸は強さです。64 バンドで、入力をグリーン、出力をアンバーで表示します。右側には小型の縦 Peak Meter と Stereo Balance を表示し、入力/出力それぞれの L/R ピーク、クリップ目安、左右の偏りを確認できます。描画側の推測クリアは行わず、共有メモリ上の現在値を元に軽く減衰表示して点滅を抑えます。Wave: 横軸は時間、縦軸は振幅です。256 点の min/max 包絡線で、エフェクト前の入力とエフェクト後の出力を重ねて表示します。
表示用データは軽量化済みで、生の音声サンプル全体は共有メモリに載せません。
AviUtl ExEdit2 用の音声フィルタープラグインです。
プラグイン上の表示名は「サウンドエフェクター」です。声や音声素材に、電話風、無線風、反響、こもり、ナレーション補正などの効果をかけられます。
プリセット
サウンドエフェクターの一番上にある プリセット から用途を選び、プリセット適用 を押すと、用途に合わせた詳細エフェクトの初期値がまとめて入ります。
プリセット適用後も各パラメーターは手動で調整できます。素材の声質や音量に合わせて、Out: Gain(dB) や Lim: Use、各エフェクトの Mix を微調整してください。
なし を適用すると、プリセット管理対象の詳細エフェクトを既定値へ戻して OFF にします。
プリセットは固定された音声処理ではなく、複数エフェクトをまとめて設定する入口です。
| プリセット | 用途 |
|---|---|
エコー |
同じ音が少し遅れて返ってくる、分かりやすい単発エコーを作ります。セリフの語尾を軽く残したいときや、効果音に奥行きを足したいときに使います。 |
反響 |
音が左右へ跳ね返るような反響を作ります。洞窟、広い通路、機械室など、音が周囲に当たって戻る感じを出したいときに向いています。 |
ホール |
広い場所で鳴っているような長めの残響を足します。ホール、教会、大きな部屋など、声や音に空間の尾を付けたいときに使います。 |
空間 |
左右の広がりを強め、音を少しワイドにします。残響よりも横方向の広さを出したい BGM、環境音、声の演出に向いています。 |
ナレーション |
声の低すぎる部分や高すぎる部分を整理し、音量差をならして前に出します。実況、解説、読み上げなど、聞き取りやすさを優先したい声に使います。 |
電話 |
帯域を狭め、軽い歪みと粗さを加えて電話越しの声にします。通話シーン、留守番電話、通信越しのセリフに向いています。 |
無線 |
細い帯域、強めの歪み、粗い質感で無線機らしい声にします。トランシーバー、警備無線、通信機越しの緊迫した声に使います。 |
拡声器 |
声を硬く押し出し、場内放送やメガホンのような強い質感にします。屋外アナウンス、避難放送、群衆に向けた声に向いています。 |
劣化 |
音を粗くして、古い機械音声や低品質な録音のようにします。壊れかけの機器、古い映像、通信不良の演出に使います。 |
男性 |
声を低く太い方向へ寄せます。元の声を完全に別人へ変えるより、少し男性的な印象を足す用途に向いています。 |
女性 |
声を高く軽い方向へ寄せます。元の声を完全に別人へ変えるより、少し女性的な印象を足す用途に向いています。 |
ロボ |
音程の段階的な変化と機械的な響きでロボット風の声を作ります。アンドロイド、機械アナウンス、人工的なキャラクター声に使います。 |
恐怖 |
細かい震え、低めの声色、こもり、暗い残響を足して不安定な声にします。ホラー、怯えたセリフ、悪夢のような演出に向いています。 |
叫び |
声の圧を強め、割れそうで割れない荒い質感を作ります。怒号、戦闘中の声、遠くまで張った声を強調したいときに使います。 |
水中 |
高域を抑え、揺れと残響を加えて水中で聞こえるようなこもった声にします。水中シーン、潜水、記憶の中のぼやけた声に向いています。 |
壁越し |
高域を大きく抑えて、壁や扉の向こうから聞こえるようなこもった声にします。隣室の会話、密室外の声、遠くの呼びかけに使います。 |
夢/回想 |
ゆっくりした揺れ、広がり、残響影を重ねて現実感の薄い声にします。夢、回想、幻聴、時間がにじむような演出に向いています。 |
エフェクト一覧
各エフェクトは Use を ON にしたときだけ処理されます。
GUI 上ではパラメーター名の前に Dly: や Comp: のような短い識別名が付きますが、下の説明では読みやすさのため識別名を省いています。
| エフェクト | 用途 |
|---|---|
Delay |
音を遅らせて重ねる。単発ディレイ、エコー、左右に跳ね返る Ping-Pong に使う。 |
EQ |
低域カット、高域カット、電話風の帯域制限など、音の帯域を整える。 |
Compressor |
大きい音を抑え、声の音量差を聞きやすくする。 |
VoiceDrive |
声に圧、押し出し、荒さを足す。叫び声や拡声器風の素材に使う。 |
Distortion |
歪みを加える。メガホン、無線、劣化した音作りに使う。 |
Noise |
ホワイトノイズやクラックルノイズを足す。無線風、古い録音風に使う。 |
BitCrusher |
ビット数や時間解像度を粗くし、低音質・機械的な質感にする。 |
Tremble |
細かい音量揺れを加える。恐怖、緊張、弱った声に使う。 |
Wobble |
ゆっくりした時間揺れを加える。水中、夢、気持ち悪い揺らぎに使う。 |
Pitch |
音程変更、声色補正、段階的なピッチ変化をまとめた声質系エフェクト。男性、女性、ロボ声、恐怖声に使う。 |
RingMod |
振幅変調で機械的な響きを作る。ロボ声に使う。 |
Muffle |
高域を抑えてこもった音にする。水中、壁越し、遠い声に使う。 |
Whisper/Breath |
息成分やヒソヒソ感を足す。手動調整用の素材作りに使う。 |
AutoGain |
音量を目標レベルへ自動的に近づける。必要な場合だけ使う補助機能。 |
NoiseGate |
小さい音を抑える。ノイズや息の残りを目立ちにくくする。 |
ReverseReverb/Ghost |
遅れた残響影を足し、幽霊的・夢のような響きを作る。 |
Output |
最終段付近の手動音量調整。Limiter の前で音量を整える。 |
Limiter |
ピークを抑えて音割れを防ぐ。 |
Chorus |
短い揺れのある遅延で、音に広がりや厚みを足す。 |
Reverb |
部屋やホールのような残響を足す。 |
エフェクト概要
サウンドエフェクターは、上から順に音を加工していく構成です。
GUI の並びも基本的には処理順に合わせているため、前段で声の帯域や歪みを作り、後段で広がり、残響、音量、ピーク保護を整える流れになります。
| 段階 | 主なエフェクト | 役割 |
|---|---|---|
| 時間差・帯域・音量差の整形 | Delay, EQ, Compressor |
エコー、帯域制限、音量差の整理など、音作りの土台を作る。 |
| 声の押し出しと質感 | VoiceDrive, Distortion, Noise, BitCrusher |
声の圧、歪み、荒さ、低音質感を足す。 |
| 揺れと声質変化 | Tremble, Wobble, Pitch, RingMod |
震え、時間揺れ、男性/女性寄り、ロボ声などの特徴を作る。 |
| こもり・息・後処理 | Muffle, Whisper/Breath, AutoGain, NoiseGate, ReverseReverb/Ghost |
こもり、息成分、音量補助、小さい音の抑制、幽霊的な残響影を足す。 |
| 広がり・残響・出力 | Chorus, Reverb, Output, Limiter |
左右の広がり、空間の尾、最終音量、音割れ防止を仕上げる。 |
Delay
音を遅らせて重ねるエフェクトです。単発ディレイ、エコー、左右に跳ね返る Ping-Pong に使います。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
Delay を有効にする。 |
Stereo Mode |
Normal は左右を独立処理、Ping-Pong は左右へ交互に跳ね返す。 |
Time(ms) |
遅れて鳴るまでの時間。 |
Dry |
元音の量。 |
Wet |
遅延音の量。 |
Feedback |
遅延音をもう一度戻す量。上げるほどエコーが繰り返される。 |
EQ
低域カット、高域カット、電話風の帯域制限など、音の帯域を整えるエフェクトです。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
EQ を有効にする。 |
Mode |
Low Cut、High Cut、Band Pass から処理方式を選ぶ。 |
LowCut(Hz) |
低域を削る基準周波数。Band Pass では通す帯域の下限。 |
HighCut(Hz) |
高域を削る基準周波数。Band Pass では通す帯域の上限。 |
Mix |
EQ 処理後の音を混ぜる量。 |
Compressor
大きい音を抑え、声の音量差を聞きやすくするエフェクトです。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
Compressor を有効にする。 |
Threshold(dB) |
圧縮を始める音量。 |
Ratio |
しきい値を超えた音をどれくらい抑えるか。 |
Attack(ms) |
大きい音に反応する速さ。 |
Release(ms) |
抑えた音量が戻る速さ。 |
Makeup(dB) |
圧縮後に足す音量。 |
Mix |
圧縮後の音を混ぜる量。 |
VoiceDrive
声に圧、押し出し、荒さを足すエフェクトです。叫び声や拡声器風の素材に使います。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
VoiceDrive を有効にする。 |
Drive(dB) |
声を押し出す強さ。上げるほど強く歪む。 |
Body |
声の太さ、低域感を足す量。 |
Level(dB) |
処理後の音量。 |
Mix |
VoiceDrive の音を混ぜる量。 |
Distortion
歪みを加えるエフェクトです。メガホン、無線、劣化した音作りに使います。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
Distortion を有効にする。 |
Mode |
Soft Clip はなだらか、Hard Clip は強く切り詰める歪み。 |
Drive(dB) |
歪ませる前に上げる音量。 |
Tone |
歪みの明るさや強さ。 |
Level(dB) |
歪ませた後の音量。 |
Mix |
歪み音を混ぜる量。 |
Noise
ホワイトノイズやクラックルノイズを足すエフェクトです。無線風、古い録音風の質感作りに使います。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
Noise を有効にする。 |
Mode |
White は常時ノイズ、Crackle は突発的なノイズ粒。 |
Level(dB) |
ノイズの音量。 |
Mix |
ノイズを混ぜる量。 |
BitCrusher
ビット数や時間解像度を粗くし、低音質・機械的な質感にするエフェクトです。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
BitCrusher を有効にする。 |
BitDepth |
音量方向の粗さ。小さいほどザラつく。 |
SampleHold |
同じ値を保持するサンプル数。大きいほど時間方向が粗くなる。 |
Mix |
粗くした音を混ぜる量。 |
Tremble
細かい音量揺れを加えるエフェクトです。恐怖、緊張、弱った声に使います。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
Tremble を有効にする。 |
Rate(Hz) |
音量揺れの速さ。 |
Depth |
音量揺れの深さ。 |
Mix |
揺れた音を混ぜる量。 |
Wobble
ゆっくりした時間揺れを加えるエフェクトです。水中、夢、気持ち悪い揺らぎに使います。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
Wobble を有効にする。 |
Delay(ms) |
揺れの基準になる短い遅延時間。 |
Depth(ms) |
遅延時間を揺らす幅。 |
Rate(Hz) |
揺れの速さ。 |
Mix |
揺れた音を混ぜる量。 |
Pitch
音程変更、声色補正、段階的なピッチ変化をまとめた声質系エフェクトです。男性、女性、ロボ声、恐怖声に使います。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
Pitch を有効にする。 |
Mode |
Natural は音程変更と声色補正、Pitch Only は音程変更のみ、Formant Only は声色補正のみ、Step は段階的なピッチ変化。 |
Semitone |
音程の変化量。正で高く、負で低くなる。 |
Window(ms) |
ピッチ処理の窓長。短いほど反応は速いが荒れやすい。 |
Formant |
声色の重心。正で軽く明るく、負で低く太く寄せる。 |
Amount |
声色補正の強さ。 |
Step(semi) |
Step モードで上下に動かす音程幅。 |
Rate(Hz) |
Step モードで音程を切り替える速さ。 |
Mix |
Pitch 処理後の音を混ぜる量。 |
RingMod
振幅変調で機械的な響きを作るエフェクトです。ロボ声に使います。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
RingMod を有効にする。 |
Frequency(Hz) |
変調に使う周波数。 |
Depth |
変調の深さ。 |
Mix |
変調した音を混ぜる量。 |
Muffle
高域を抑えてこもった音にするエフェクトです。水中、壁越し、遠い声に使います。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
Muffle を有効にする。 |
Cutoff(Hz) |
こもらせる基準周波数。低いほど強くこもる。 |
Amount |
こもりの強さ。 |
Mix |
こもった音を混ぜる量。 |
Whisper/Breath
息成分やヒソヒソ感を足すエフェクトです。手動調整用の素材作りに使います。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
Whisper/Breath を有効にする。 |
Level(dB) |
息成分の音量。 |
Tone |
息成分の明るさ。 |
Mix |
息成分を混ぜる量。 |
AutoGain
音量を目標レベルへ自動的に近づける補助エフェクトです。必要な場合だけ使います。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
AutoGain を有効にする。 |
Target(dB) |
近づけたい目標音量。 |
Speed(ms) |
音量補正が追従する速さ。 |
MaxGain(dB) |
自動で上げられる最大量。 |
Mix |
自動補正した音を混ぜる量。 |
NoiseGate
小さい音を抑えるエフェクトです。ノイズや息の残りを目立ちにくくします。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
NoiseGate を有効にする。 |
Threshold(dB) |
この音量より小さい音を抑える。 |
Attack(ms) |
ゲートが開く速さ。 |
Release(ms) |
ゲートが閉じる速さ。 |
Floor(dB) |
閉じたときにどこまで音量を下げるか。 |
ReverseReverb/Ghost
遅れた残響影を足し、幽霊的・夢のような響きを作るエフェクトです。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
ReverseReverb/Ghost を有効にする。 |
Size(ms) |
残響影の大きさ、長さ。 |
Feedback |
残響影を戻す量。 |
Wet |
残響影の音量。 |
Mix |
ゴースト効果を混ぜる量。 |
Output
最終段付近の手動音量調整です。Limiter の前で音量を整えます。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
Output を有効にする。 |
Gain(dB) |
最終段付近で手動調整する音量。 |
Limiter
ピークを抑えて音割れを防ぐエフェクトです。強く加工した後の最終保護に使います。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
Limiter を有効にする。 |
Ceiling(dB) |
超えないようにする最大音量。 |
Release(ms) |
抑えたゲインが戻る速さ。 |
Mix |
リミッター後の音を混ぜる量。 |
Chorus
短い揺れのある遅延で、音に広がりや厚みを足すエフェクトです。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
Chorus を有効にする。 |
Stereo Mode |
Normal は左右同じ揺れ、Wide は左右の揺れを反対にして広げる。 |
Delay(ms) |
コーラスの基準遅延。 |
Depth(ms) |
遅延時間を揺らす幅。 |
Rate(Hz) |
揺れの速さ。 |
Mix |
コーラス音を混ぜる量。 |
Reverb
部屋やホールのような残響を足すエフェクトです。空間の広さや音の尾を作ります。
| パラメーター | 役割 |
|---|---|
Use |
Reverb を有効にする。 |
Type |
Room、Hall、Plate から残響の種類を選ぶ。 |
RoomSize |
空間の広さ、残響の長さ。 |
Damping |
高域の減衰。上げるほど暗く短い残響になる。 |
Dry |
元音の量。 |
Wet |
残響音の量。 |
配布ファイルの配置
使うときは、AviUtl2 のプラグインフォルダに Aul2AudioFilter.auf2 をコピーします。
C:\ProgramData\aviutl2\Plugin\Aul2AudioFilter\Aul2AudioFilter.auf2
配置先フォルダ:
C:\ProgramData\aviutl2\Plugin\Aul2AudioFilter
コピーするファイル:
Aul2AudioFilter.auf2
配布 zip には、エコーやリバーブの尾を確認しやすくするサンプルとして次の WAV も含めます。
Sample\無音_極小ノイズ_ループ推奨.wav
グループへの適用
複数の音声素材へまとめて効果をかけたい場合は、AviUtl2 の「グループ制御(音声)」を使います。
通常の「グループ制御」ではなく、「グループ制御(音声)」にサウンドエフェクターを追加してください。
Reverb
Type: 残響の種類をRoom、Hall、Plateから選択Room: 短めで部屋の反射に近い残響Hall: 長めで広い場所に近い残響Plate: 短めで明るい質感の残響
エコーや残響は、音声フィルターが呼ばれる区間でだけ処理されます。
AviUtl2 では完全無音区間で音声フィルターが呼ばれないことがあるため、音声の末尾で効果が途切れる場合は、完全無音ではなく極小ノイズ入りの余白を使ってください。
配布 zip に含まれる Sample\無音_極小ノイズ_ループ推奨.wav は、その用途のためのサンプルです。